為替はじりじりと円安に動き155円前後でストップしている。この為替であるとドル建てで動く台湾・インド向けの輸出は国内価格と比べても今後いい値がつく可能性はある。一方国内価格の上値は重い。LMEだけ見れば下がっていてもおかしくない状況で各メーカーも購入価格を上げるという事自体に抵抗感もあり、又需給もひっ迫していない事から、値上げに対しての意識はかなり薄い。
市中では上げ期待と下げ不安が入り交じり、何とも言えない状況になっている。

米国の大統領がトランプ氏で決まった。勝敗が決まった瞬間は大方の予想として大幅な円安に動くと考えられたが、予想をはるかに下回る値動きで、それ以降はむしろ円高に若干振れてきている。LMEは16000ドルを回復はしたがそれ以上の動きはなく、市中で言えばもう少し価格が上伸するのではないかと考えていた人達には多少冷や水になったかもしれない。足元シッパーを含む需要家についても全てがスクラップを必要としているかはバラバラであり、総じて国内需要は無い物高ではあるが、そこまで発生と需要がバランス取れていないかというとそうでもない気がする。
どちらにしても上値は重い中でどう判断するかは其々の考えではある。

先週迄の荷動きに対して11月のスタートはかなり冷え込みモードである。LMEも順調に下がってきている中で、価格はシッパーを中心にして弱くはなっていない。上値が重いのは先月通りであるが、下値が切りあがってきている。いつ下がってもおかしくない状況での強気マーケットはいささか違和感を覚えるが、これも無い物高という事であろうか。

先週中部ミルがこぞって値上げをした。円安にこそ振れているが、LMEは値下がりを続け、何故ここでというタイミングでの値上げなのか理解に苦しむ。ましてや一方の特殊鋼ミルは数量自体もそれ程必要としていない筈なので余計に理解に苦しむ。発生量が少ないのは違いないのだが、他に目立って高買いしている先もないので単に市況を表しているというよりもごく一部の地域の都合によるものと理解するのが妥当であろう。

為替は150円付近で落ち着いているが、上がりかけていたLMEが再度下落に転じている。ステンレスの価格としての指標には現状なってはいないものの、やはり上がりきらない現状からの下落は、上値を狙っている人からすると冷や水であろう。後はどれだけ需要があるかであるも、関東を例にとると軒並み需要家も価格が強いところもなく、そこも上値を狙う人からすればパッとしないところである。ここ迄きたら大台を狙いたいところではあるも、今一つ上値は重い。発生量が少ない為需給は引き締まっているので決して弱くはないが、上値は重い展開で、余計に荷動きは悪くなっている。

関西方面は着実に価格が上がってきている様子であるが、関東についてはこれと言って高値を付けている先は現れていない。相変わらず発生量は少ないままだが、それでも10月第一週目に比べると幾らか流通量は回復してきている。
そんな事よりも、先週末で大手高炉系ミルが親会社との合併を発表した。来年4月に向けてどの様な戦略を立てて来るのか不明ではあるが、どちらにしても来年以降のマーケットはかなりの影響を受けるのは間違いない。

スクラップの発生量がかなりの低水準である。これはSUS屑に限ったことではないが、産業自体が停滞しているとしか思えない状況である。
実際国内ミルとシッパーの争奪戦が行われるのが常であるも、発生が余りに少なすぎて奪い合うものがないという状況になっている。特に盆明け以降から状況はひどい。これから年末迄にかけて発生自体が上向いていくのかどうか分からないが、この状況は非常にまずい。

LME・為替とも若干輸出に有利な状況になってきている。であるが韓国向け大手シッパーは関東に限っては元気がないままである。他の台湾向け等は若干値戻しをしてきた所もあるが、相場を引き上げる程のインパクトは無かった。但し、発生難と相まって荷動きを止める効果は充分だった。足元の価格から更なる下落は当面無さそうであるも、ここから上昇に転じるとも言い切れない。暫くは踊り場ではなかろうか。

荷動きの無い1週間であった。先週前半は海外向けの価格と国内価格が同水準になりつつある関係で一部その様な話も聞こえてきたが、後半に円高が進み始めると急速にしぼんでしまった。
又、国内価格の急激な値下がりで各業者が考えている事は、簿価が合わないので薄まる迄は出したくないという事、そもそもの発生量が少ないという事、以上3点から様子見状態というのが現在の市況であろう。
どちらにしても上がり目は無く、今週からは値下げで購入している分で簿価も薄まってくる事から、幾らかはマシにはなるのではないだろうか。

先週も先々週と同様にバタバタとした週末であった。そもそも大手シッパーが先行して10円下げていた単価に、国内のミルが1週間遅れで合わせてきたという流れである。ここで落ち着くかどうかは微妙なところで、大手シッパーはここから更に5~10円の値下げを模索している話もある。但し、これ以上の値下げは足元でいうと韓国以外の海外向けの価格に合う事になり、寝た子を起こす事にもなりかねず、混沌としたマーケットを誘発するべきではないと思われる。勿論円高が進めば海外向けは自動的に値下がっていくので、よくよく状況を見極めていった方がいいだろう。